妊活夫婦のコミュニケーション:妻が傷つくNG発言と効果的な声かけ

妊活・不妊治療中はちょっとした言葉の行き違いで、パートナーに対する疑問や不信感が生まれがちです。Twitter上で実施されたアンケートから、妊活中の女性たちが夫から言われて心が萎えたセリフと、夫が気をつけるべき「9つの地雷」について紹介します。

夫が知らず知らずのうちに踏んでいる9つの地雷

①オレ関係ないもんね系

  • 「俺はどこも悪くない、不妊は君のせいじゃん」
  • 「不妊治療? 面倒くさいなー」
  • 「(治療は)君がやりたいからやってるんだろ?」

これは大きなショックを与えます。知識不足から発言してしまう地雷です。

②無知ゆえ系

  • 「不妊治療をしなくても妊娠できるし、そんなにお金かけるのは無意味だ」
  • 「治療しなくてもまだいいんじゃない?焦りすぎでは?」
  • 「いつになったら、妊娠するん?」

いつ妊娠できるかは妻も知りたいところです。基礎知識があれば防げる発言なので、夫も勉強することが大切です。

③仕事・飲み会優先系

  • 陰性判定が出た日に「仕事の先輩が大変だからそっち行ってくる」と言われ、傷ついている妻より先輩が大切なのかと思った
  • 翌日に採卵や人工授精のスケジュールが入っているのに、急きょ飲み会に参加する
  • 精液検査を頼んだら「無理無理!これから毎週土曜日は仕事入るよ!」と拒否される

仕事や飲み会を優先していると、知らない間に妻の心が離れていってしまう可能性があります。

④理詰め・正論系

  • 「排卵してるの?排卵してないんだったら意味ないじゃん」
  • 話を聞いて欲しいだけなのに、解決策を提示される
  • 「よそはよそ、うちはうち」と割り切られる

妻はただ聞いてほしいだけのこともあります。男女間の認識の違いが表れやすい地雷です。

⑤やめれば系

  • 「そんなにつらいなら不妊治療やめればいいじゃん」
  • 「だったら会社辞めれば?」
  • 「仕事をキャンセルすれば?」と簡単に言われる

不妊治療も仕事も両方大事で、どちらも簡単には辞められません。

⑥一見尊重系

  • 「産むのはあなただからね、好きにしたら?」
  • 「君のやりたいようにやればいいよ」
  • 「○○ちゃんが決めたことなら俺それでいい」と意思決定に参加しない

夫からすれば優しさから出た言葉かもしれませんが、妻にとっては寂しいものです。

⑦悪気ない系

  • 「頑張ったのに、また頑張ろう」と言われ、これ以上何を頑張ればいいのかと思う
  • 連日の自己注射の痛みに「一瞬で終わるんだからがんばれ」と言われる
  • 「俺、他の人とだったらすぐ妊娠しそうじゃない?笑」と冗談を言われる

場を明るくしようとして言っているのかもしれませんが、妻にとってはピントがずれた発言になります。

⑧逆ギレ系

  • 「何でそんな泣くの?なぐさめても泣く、同情しても泣く、じゃあ俺はどうすればいいわけ?!」
  • 「どうしたらいいの?自分の体のことなんだから自分で受け止めてよ!」
  • タイミング当日、忘れて寝ようとする夫に声をかけたら「忘れてた、あーもー!やるよ!朝早いから早くして!」と怒り出す

夫の悲痛な叫びも理解できますが、妻も同様に困惑している状況です。

⑨温度差系

  • 度重なる流産で「また初めからやればいいじゃん」と簡単に言われる
  • 不妊治療の話になるとスマホゲームをし出す
  • 親戚や知り合いからの不快な発言について話したとき、妻に寄り添わず親戚や知り合いを擁護する

温度差を感じると、妻の中で静かにあきらめが進行します。妻が最近おとなしくなったときは要注意です。

クスッと笑える番外編

  • 何度説明しても不妊治療のプロセスを忘れ、何回も聞いてくる
  • 「いやーー、しんどかったね!」(採卵の日、採精のみだった夫のセリフ)
  • 「ジャネットジャクソンは50で産んだし、そんな焦らなくても大丈夫だよ」とレアな例を挙げられて困惑

妻への効果的な声かけのポイント

「共感」「感謝」「チーム意識」が大切

「共感」
「あんなに頑張ってたもんね。つらいよね。落ち込むのも当然だよ」

「感謝」
「いつも二人のために頑張ってくれてありがとう」

「チーム意識」
「一緒にがんばろう。ダメだったらまた話し合ってやっていこう」

つまり「一旦、問題解決思考は脇に置く」ということです。共感が苦手な男性は、妻の言葉を「オウム返し」してみるのも効果的です。

妻:○○が△△で本当につらい…
夫:うん、それはつらいね。今回は仕事も忙しい中でのチャレンジだったもんね。よく頑張ったよ。

妻側も、夫の発言に対し、「キレる」「あきらめる」「嫌みを言う」以外の選択肢を持つことが大切です。男性も静かに傷ついていることがあります。ときには「こうしてもらえるとうれしい」というリクエストを率直に伝えてみましょう。

妊活中に二人で助け合えたという事実は、かけがえのない宝物になります。ぶつかることを恐れずに、素直に気持ちを伝える関係を築いていきましょう。

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著者:佐藤 明日香

佐藤 明日香(さとう あすか) 1990年生まれ:埼玉県出身 大学卒業後、病院で看護師として5年間勤務 妊活・出産経験 結婚後1年は自然妊娠を目指すも成果なく、タイミング法から人工授精を経て体外受精へ。2回目の移植で長女を授かり、その後の凍結胚移植で長男を出産。合計2年間の妊活を経験。 趣味・人柄 発酵食品作りとヨガが好きな、温かみのある性格。「今日できることを、今日だけ」をモットーに、諦めない強さと日々の小さな幸せを大切にしています。 妊活って、心細くなることもありますよね。でも、一人で抱え込まないでください!このブログが、皆さんの心の支えになれたら嬉しいです。