「子どもが欲しい」その願いを叶えるまでの道のり — 本当の気持ちを綴ります

こんにちは、佐藤明日香です。マタニティーユニバーシティー運営者の私から、今日は少し個人的なお話をさせてください。

先日、読者のAさんから「不妊治療を始めようか迷っています。でも、どんな気持ちで続けていけばいいのか分からなくて…」というメッセージをいただきました。

その言葉に、3年前の自分自身を重ねました。今日は「不妊治療って、本当はどんな気持ちで向き合うものなのか」について、私の経験から正直にお話ししたいと思います。

始まりは「なぜ私たちだけ?」という疑問から

結婚して1年が経ち、自然妊娠を期待していた私たち。友人からは次々と妊娠報告が届く中、私の生理は毎月規則正しくやってきました。

「私たち、何か悪いことしたのかな」

今思えば意味のない考えですが、当時の私はそんなことを真剣に考えていました。夫の健太郎は「まだ焦らなくても大丈夫だよ」と言ってくれましたが、彼の目にも不安が浮かんでいたことを覚えています。

病院に行くまでの勇気

「病院に行こう」と決めるまでにも時間がかかりました。なぜなら、病院に行くということは「自分たちには問題があるかもしれない」と認めることだったから。

初めての不妊外来。待合室には同じような表情の女性たちがいました。診察で「卵管の通りが良くないかもしれませんね」と言われた時の気持ちは、今でも鮮明に覚えています。

帰り道、健太郎は「何があっても二人で乗り越えよう」と言ってくれました。彼の言葉が、その後の長い道のりを支える力になったのです。

タイミング療法、人工授精…心と体の疲れ

治療が始まると、生活はすっかり変わりました。

朝は体温測定から始まり、排卵検査薬のチェック。会社の昼休みには病院に駆け込み、夜は「タイミングを合わせる」という機械的な営みに…。

毎月の検査結果を待つ時間は、まるで永遠のように感じました。そして生理がくると、会社のトイレで泣く日々が続きました。

健太郎は「もし問題があるなら、僕かもしれない」と自ら精液検査を申し出てくれました。彼の姿を見て、「この人と家族になりたい」という思いがさらに強くなったのを覚えています。

体外受精という決断

タイミング療法も人工授精も効果が見られず、33歳になった私に医師は体外受精を提案しました。

1回50万円近い治療費、体への負担、成功率の低さ…現実は厳しいものでした。

「もう疲れたね」と健太郎が言った夜、私たちは長い時間話し合いました。「私たちの子どもに会いたい」という思いが、すべての不安や恐れを上回ったのです。

最も辛かった瞬間

体外受精は想像以上に過酷でした。自己注射、連日の採血と検査、ホルモンバランスの乱れによる感情の波…。

最初の採卵で8個の卵子が採れたものの、良好胚は1個だけ。そして2週間後の妊娠検査で陰性。病院を出て、ただ立ち尽くす私を健太郎が仕事を抜け出して迎えに来てくれました。

その日初めて、二人で声を上げて泣きました。

互いの本音とぶつかり合い

こんな素敵な夫婦にも、もちろん衝突はありました。

3回目の体外受精が失敗した後、互いの疲れが限界に達した日のこと。

「あなたは注射も検査も何もしてない!体を張ってるのは私だけ!」と私が怒鳴ると、健太郎も「だから何もできない自分が情けないんだよ!毎月君が期待して落ち込むのを見るのがどれだけ辛いか…」と感情をぶつけてきました。

その夜、私たちは初めて本音で話し合いました。健太郎の「君の痛みを代われないことが辛い」という言葉に、私の心の壁が崩れ落ちたのを覚えています。

諦めかけた7回目の挑戦

体外受精を続けるも4回目まで成功せず、精神的にも経済的にも限界が見えていました。

「最後にもう一度だけ」と決めた7回目。それまでの経験を踏まえて、心身ともにリラックスすることを最優先にしました。仕事も調整し、ストレスを減らす生活を心がけました。

そして…良質な胚が1つ育ち、妊娠検査で陽性判定が出た瞬間。言葉にできない喜びがありました。

「やっと会えるね、私たちの子ども」と健太郎と抱き合った時の感覚は、今でも体に染みついています。

伝えたいこと

不妊治療は、医学的な処置だけではなく、心との闘いでもあります。「妊娠できなかったら私は価値がないのか」という自問自答や、「また失敗したらどうしよう」という恐怖と常に向き合うことになります。

でも、この経験から学んだことがあります。

  1. 完璧な準備はない — いくら計画しても、人生は思い通りにならないことがある
  2. 弱さを見せることは恥ではない — パートナーに本音を話すことで関係が深まる
  3. 自分を責めない — 不妊は誰のせいでもない

そして何より、「正解」は人それぞれだということ。治療を続けるか、別の選択肢を考えるか、それは他人が決めることではありません。あなたとパートナーにとっての「幸せ」が最優先です。

あなたへのメッセージ

今、同じ悩みを抱えているあなたへ。

辛いときは辛いと言っていいんです。 疲れたと感じたら休んでいいんです。 時には泣いてもいいんです。

そして、どんな結果になっても、あなたの価値は変わりません。

私がこのブログを始めたのは、同じ思いを抱える誰かの手助けになりたいから。あなたの気持ちに寄り添えるサイトでありたいと思っています。

もし良かったら、コメント欄やメッセージで思いを共有してください。一人で抱え込まなくていいんです。私たちは、ここにいます。

明日も、あなたらしい一日になりますように。

佐藤明日香より


次回は「不妊治療中のパートナーとのコミュニケーション術」について、夫の健太郎にも登場してもらう予定です。お楽しみに!

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